家庭を顧みない仕事人間男と浮気する妻、どっちが悪い!?
※当ブログにはプロモーションを含みますが、記事内容は公平さを心がけています。
世の中には家庭を顧みない仕事人間の男性と、その妻の不倫をテーマにした小説、ドラマや映画が数多くあります。
大抵は、仕事命で家庭を省みない男性に嫌気をさした妻が結婚生活に我慢できなくなって家を出て行き、残された男性が後悔するという話が多いです。
不倫は、法的には民法770条にて定められている「不貞行為」に該当するので、当然、不倫は、不倫をした方が悪いわけです。
しかしながら、男性が仕事人間であったり、家庭に愛情を注がないような人物である場合には、その妻の不倫に対しては情状酌量の余地があるような描き方がされることも多いです。
男性が家庭を顧みない仕事人間だったような場合で、妻がそのせいで浮気したらどちらが悪いのでしょうか!?
家庭を顧みない仕事人間男と浮気する妻、どっちが悪いのか、男性目線で考えてみたいと思います。
家庭を顧みない仕事人間の男が妻に愛想を尽かれるのは自業自得!?
2018年に放映されたドラマ『ホリデイ・ラブ』では、仕事ばかりで自分のことを大切にしてくれない夫の井筒渡にウンザリして、妻の里奈は不倫をした上で家を出て行ってしまいます。
妻に浮気をされた夫の渡は烈火のごとく怒り狂うのですが、その後、残された子供との生活の中で、妻の浮気は自分自身が夫として、父親として、至らなかったせいであると反省するシーンがあります。
夫の渡は仕事人間で、仕事以外ろくに子育てに関与せず、妻を愛すべきパートナーとしてでなく、まるで家政婦のように扱うなどの横柄な態度が、里奈を不倫に走らせたのであり、妻の不倫の責任は自分にあったと思うようになります。
妻に愛想を尽かされて、「夫婦愛も薄れているし、子供もあなたに懐いてないので、せめてお金くらい稼いでもらいたい」。
そうゆう思いから、「帰ってこなくていいから、もっとお金だけ稼いできてちょうだい!」と、ATM扱いされるのは、自業自得と言えるかもしれません。
「旦那は元気で留守が良い」
そんなフレーズを妻に言われてしまうのは、何かしらの理由で「なるべく一緒にいたくない」と思わせるくらい、妻に愛想をつかれたためでしょう。
(もしくは、そもそも女性に愛想なんてなくて、結婚した理由が男性のお金目当てだったからかもしれません)
しかし、愛想を尽かれてしまうことは男性の自業自得だと言えるとしても、不貞行為まで自業自得と言えるのでしょうか。
夫に愛想を尽かした妻の不倫や浮気は正当化されるのか?
男性が仕事ばかりで家庭を顧みなかったからと言って、妻の浮気という不貞行為が正当化されることはないと考えます。
「愛想が尽きる」という理由は、民法で夫婦間に課されている貞操義務を遺棄する十分な理由にはなりません。
では、愛想を尽かした男性に対して、女性は結婚生活を我慢するしかないのでしょうか?
その場合、妻が取るべき行動は、貞操義務を遺棄して浮気や不倫をすることではなく、どうしても夫婦関係を改善できないのであれば、離婚の申立だと思います。
ただし、男性が仕事ばかりしていて家庭を顧みないということは、民法が定める離婚事由には定められていません。
しかし、「夫婦はお互いに協力し合って結婚生活を営むべし」という「協力義務」の違反や、「冷めきった夫婦間の関係」を、夫婦関係が破綻していて婚姻を継続しがたい状況にあると主張することはできるでしょう。
現代の法治国家においては、どんな理由があろうとも、違法行為をしてしまうと、違法行為をした方が負けてしまいます。
夫に愛想を尽かしたからといって不貞行為をしてしまった場合には、不貞行為をした妻の方が悪い、という事になってしまいます。
夫に酷い扱いを受けたからといって、殺してしまえば、殺した妻が殺人罪に問われてしまうのと同じです。
(不貞行為は刑法上の犯罪ではないので、民法と刑法を交えて議論するのは適切ではありませんが、分かりやすくするために殺人の例を出してみました)
ただし、不貞行為や殺人に走った背景等の諸事情に情状酌量の余地がある場合には、裁判においては多少軽微な判決となるかもしれませんが、違法行為が許されるわけではありません。
愛想を尽かせる男性に罪はないのか?
愛想を尽く、というのは極めて主観的な感情なので、そもそも定義することが困難です。
妻が夫に求める言動においても、家庭によって理想像は異なります。
家に帰っても居づらい。楽しくない。家事が面倒。子育てが面倒。
そんな理由で、無駄な残業をしたり、家庭から逃げて同僚や取引先の人と飲みに行ったりしている男性は論外です。
しかし、家のことは自分が全てするから夫には外で働いて稼いでほしいという女性もいれば、逆に自分が外で働くから、夫には専業主夫になってほしいという女性もいます。
今の時代は男女それそれが働く共働き家庭が多いので、双方で協力して稼ぎと家事を分担したいと考える女性が一番多いのかもしれません。
男性に求められている言動はそれぞれの夫婦において千差万別ですが、夫婦にはお互いに協力し合って結婚生活を営む協力義務があります。
ですから、結婚生活の営みを損ない、協力義務に反するような言動を男性がとっている場合には、男性にも罪があるといえるでしょう。
(その言動が刑罰に値する犯罪に当たるかどうかは、また別の話ですが)
家庭内における男性の立ち位置と役割
専業主婦家庭、専業主夫家庭、共働き家庭、それぞれのケースによって男性の家庭内における立ち位置と役割は異なると思います。
しかし、経済的な理由で家庭を顧みずに昼夜問わず働かないと一家が食べていけないほど貧しい、というような状況でない限り、専業主夫なら当然、専業主婦家庭や共働き家庭だとしても、男性も家庭のことを顧みるべきだと考えます。
「妻や子供のことを顧みず、一生懸命仕事に没頭した人生で良かった!」
そのようなストーリーの小説や映画は聞いたことがありません。
むしろ、仕事ばかりで家では役立たずの酷い男であった男性が定年を迎え、定年退職後にそれまでの仕事ばかりの人生を悔やむ、という話の方の方が多いです。
人生一回きりなのですから、「家族のために」仕事だけをするのではなくて、家庭内でもきちんとコミュニケーションを取ることこそが、家族の絆を深め幸せな家庭を生むものだと思います。