ピエール・ボナール展(国立新美術館)の作品レビュー
※当ブログにはプロモーションを含みますが、記事内容は公平さを心がけています。
オルセー美術館特別企画『ピエール・ボナール展』が、2018年9月26日から12月17日までの期間、国立新美術館にて開催されています。
年末のクリスマスデートに向けて美術館デートを考えている人のために、レビューをしてみます。
久しぶりに夫の東京出張に合わせて、上京して行ってきました!
夫の仕事の後だったので、閉館2時間前というギリギリの時間での美術館入りです。
国立新美術館のチケットはネット購入が便利でスマート
チケット購入のために窓口に並ぶのが嫌なので、私達はチケットをネットで事前購入しておきました。
チケットは、国立新美術館のホームページや、チケットぴあから購入することが出来ます。
ネットでの事前購入しておけば、チケット売り場で並ぶ必要がなくなるので忙しい人にはおすすめですよ!
日本かぶれのピエール・ボナール
さて、ピエール・ボナール(Pierre Bonnard)の作品ですが、若い頃のピエールは、浮世絵の影響を受けてか、色使いは暗めで、くすんだ緑色や土色が多い印象でした。
ピエール・ボナールは、ゴーギャン(1848-1903)もとに結成された『ナビ派』の一員だったのですが、その中でも特にジャポニズムの影響を強く受けていた一人です。
この頃パリではジャポニズムが流行していて、ピエール・ボナールは、広重などの浮世絵を所蔵し愛好していたそうで、実際、彼の作品には、掛け軸に出来そうな縦長の絵画も多く見られます。
そのため、ピエール・ボナールは美術評論家からは「日本かぶれのナビ」との異名を付けられるほどでした。
「ナビ」はヘブライ語で「預言者」という意味で、『これからは、わたしたちの時代が到来する』ということを予言して、『ナビ派』と名乗ったとのです。
ピエール・ボナール『庭の女性たち』
ピエール・ボナールの作品の中には、しばしば格子模様の衣装を男性や女性が描かれています。
その中でも、水玉模様や格子柄のワンピースを来た女性たちの絵、『庭の女性たち』を私はとても気に入って鑑賞していたところ、夫が横から声をかけてきました。
「あの格子柄、本来は身体のラインに合わせてうねらせて描くべきなのに、全て真っ直ぐ描かれているのがおかしいね~。」
と指摘していました。
たしかに、人が着ている衣服を写実的に描くのであれば、身体のラインに沿って格子柄の線は曲線として描かれるはずです。
しかしピエール・ボナールの作品の中で描かれている格子柄は、どの作品においても人間の身体の立体感に合わせていなくて、まるで真正面から見ているように、まっすぐに格子柄を描いています。
この描画法がまさにピエール・ボナールの特徴であり、ナビ派が目指した『装飾的な新しいアート』の特徴のひとつなわけですが、夫の感性には響かなかったようです。
ピエール・ボナールの『白い猫』
ボナールの絵には犬や猫がたくさん登場します。
『白い猫』という絵では、猫の脚が大変長く描かれています。
最初見た時はギョッとしましたが、見ているとなんだか可愛くて愛着が湧いてきます。
この絵は、ピエール・ボナール展のチケットにもなっています。
この猫、結構人気があってインスタグラムで『#びよーん猫』と検索すると色々出てきます。
国立新美術館のピエール・ボナール展公式ホームページで募集をかけているからだと思いますが、うまい宣伝方法だし、思わず見入ってしまいます。
中期以降のピエール・ボナール
ピエール・ボナールの作品は、中期になると洋画の油画らしいタッチと、ベルベット色が多くなってきて、ヨーロッパの画らしくなってきます。
ピエール・ボナールは26歳のとき、パリの街角で出会った、本名も素性も知らない、自称マルト(自称16歳)という女性と付き合い同棲を始めます。
マルトは彼の作品の中で数多く描かれています。
『裸婦像』や、「浴室」や「湯槽」を描いた「入浴シーン」において特に多く登場し、ピエール・ボナールはマルトの日常の仕草を多く描きました。
ちなみに、『裸婦像』というと色めかしいポーズが多いですが、お風呂に入るために屈んでいる仕草などが多く、いやらしさはありません。
日常生活のおける女性の動作を切り取って描いている感じで、いまでいうとスナップショットのような感覚で描いていたのでしょうか。
50歳のピエール・ボナールは主治医の妻の裸体を描く!
ピエール・ボナールは50歳の時、ボナールが通っていた主治医の妻をモデルに起用しはじめました。
そして、マルトの時と同様に『裸婦像』を描いています。
主治医の妻は、余程魅力的な女性だったのでしょうね。
古今東西、医者の奥様には美人が多いのでしょうか。
ピエール・ボナール、三角関係の末に結婚
ピエール・ボナールは、別の画家の愛人をしていたルネ・モンシャティという女性と愛人関係になり、彼女をモデルに起用し始めます。
ルネ ・モンシャティは、彼より一回り年下の金髪の女性で、ボナールはその頃マルトとの内縁関係がありながら、ルネに恋をしていたらしいです。
これに内縁の妻のマルトが激怒しました。
マルトはピエール・ボナールに対して結婚を迫り、正式にマルトと結婚します。
驚いたのは、結婚したときのピエール・ボナールは御年58歳です。
26歳の時に出会ってから、32年後の結婚です。
正式に結婚した時に、始めてボナールは彼女の本名と年齢を知ったそうです。
マルトの本名は、マリア・ブールサン。
そしてなんとマルトは56歳だったとのことです!
マルトはピエール・ボナールが26歳の時、自分の年齢を16歳と告げていました。
8歳もサバ読んでいたということになります。
16歳と自称したマルトの心境についてはよくわかりませんが、当時は24歳だともうオバサンだったのでしょうか?
いずれにしても、日本人からすれば俄かに信じ難い話ですが、実話のようです。
嫉妬に駆られて結婚を迫る年齢といえば、20代後半から30代ではないでしょうか。
58歳といえば、マルトも結構な中年です。
還暦まで2年という年齢で結婚を迫ったマルトに、オンナの嫉妬と執念を感じました。
いやぁ、ホントびっくりです。
さすがラテン系というべきなのでしょうか!?
恋愛感情や嫉妬には、年齢は関係ないのですね。
一方のルネ ・モンシャティは、ピエール・ボナールがマルトと結婚したことにショックを受け、ピエール・ボナールとマルトが結婚した約1ヶ月後に自殺してしまいます。
激しい三角関係の末に結ばれなかった女性が悲観して自殺するなんて、まるでドラマのようですがルネ ・モンシャティのことが気の毒でなりません。
このような恋愛関係のもつれというのは、芸術家らしいといえば芸術家らしいのかもしれませんが、ピエール・ボナールは女癖が悪かったようですね・・・。
ピエール・ボナールの晩年
ピエール・ボナールは晩年、南仏に移住して、永遠の夏を描いています。
この時代の彼の作品には、水色や明るい緑、を多く使った絵が多くあります。
この時代の作品のほうが、若かりし頃のピエール・ボナールが描いたのではないかと思うほど、鮮やかな色彩です。
芸術家も、若いうちは退廃的な自分に酔いしれ、反対に歳を取ると、キラキラとした若さに憧れるのかもしれません。
年老いてゆく自分と、明るい南仏の墳形は、永遠の若さや輝きという希望、あるいは幻想をもたらしてくれたのでしょう。
最新テクノロジーを用いた立体的な絵画体験
最後のブースでは、小部屋の中でAIT(Art Immersion Technology)を用いた絵画体験ができます。
ピエール・ボナールがキャンバスに描いた風景は、実際彼が見ていたであろう風景全体の一部に過ぎません。
その描かれなかった風景を、ピエール・ボナールの絵画とともにプロジェクションマッピングで映し出し、画家の視界を感じ取ろうといった体験スペースです。
ピエール・ボナールの展覧会のチケット半券はお得な割引券に!
東京ミッドタウンでは、展覧会の半券で様々な特典サービスを受けることが出来ます。
展覧会鑑賞後に時間に余裕があれば、東京ミッドタウンにて利用するとお得ですよ!
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もらえるのは、お試しの6種類の中から1つ自分で選べます。
全て試したところ、お気に入りは「極みだし」です。
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帰ってきて炊き込みご飯の素を使って食べてみましたが、手間いらずで、すっごく美味しかったです!
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